こんにちは、たつみです。久々の記事の更新になります。
ばたばたしていた時期に体調不良が重なってしまいブログの更新ができませんでした。
まだ全快ではありませんが、無理せずに更新を再開していこうと思います。
またお付き合いいただけたら嬉しいです。
今回は双極性障害の2つの型についてお伝えしようと思います。
「双極性障害って1つだけじゃないの?」という方に是非読んでいただければと思います。
双極性障害1型と2型の違い 〜軽躁と深いうつ〜
双極性障害は、「躁状態」と「うつ状態」を繰り返す病気です。
1型と2型の大きな違いは、「躁状態の程度」にあります。
1型:激しい躁状態があるタイプ
1型の場合は、前回の記事でもお話ししたように、お金遣いが極端に荒くなったり、攻撃的な態度をとったりと、激しい躁状態が現れます。
周囲から見ても一目で「異常なテンションだ」とわかることが多く、診断は比較的つきやすいです。
2型:軽躁状態+長いうつ状態
一方で2型の場合、患者さんは「うつ状態」で過ごしていることが圧倒的に多いです。
躁状態はあっても軽度で(軽躁状態)、
- お金遣いが少し荒くなるけれど破産するほどではない
- やや攻撃的になるけれど人間関係を壊すほどではない
といった程度です。
軽躁状態は自覚されていない方も多いですね。
双極性障害2型は診断が難しい
2型の方は、「うつ病ではないか」という形で受診されることが多く、問診で軽躁について尋ねても、本人に自覚がない場合が多いです。

気分が落ち込むということですね。
今までテンションがものすごく上がって調子が良いなって感じたり、
周りの人からテンション高いねって指摘されたことはありますか?



うーん、特にそんなことはないですね。
友達から指摘されたこともないです。



そうですか。
では一旦はうつ病として、抗うつ薬を使って治療していきましょう。
2週間後──



もうすっごいテンション上がって最高です。
前の気分の落ち込みが嘘みたいです。



躁状態になっている。
双極性障害だったのか…。
このように、うつ病と思って抗うつ薬を処方した結果、実は双極性障害だったと判明するケースは少なくありません。
といいますか、ほとんどはこのパターンなんじゃないかなと思います。
双極性障害2型は決して「軽い病気」ではない



双極性障害2型って言っても、
1型と比べて躁状態は軽いんでしょ?
それなら軽い病気なんじゃないの?



これは本当によくある勘違いなのですが、
双極性障害2型は決して軽い病気ではありません‼️
「軽躁=軽い双極性障害」だと誤解されることがありますが、これは間違いです。
確かに、躁だけに限って言えば、激しい躁状態になることは少ないため軽いと言えなくもありません。
しかし…
双極性障害2型のうつ状態は、重度のうつ病と同じくらい重くなることがあります。
さらに、自殺率に関しては、2型は1型と同等か、それ以上に高いという報告もあります。
2型の自殺リスクが高くなる背景
2型の自殺リスクが高い理由は下のものがあります。
- うつ状態の期間が長い
- 軽躁は見過ごされやすく、診断・治療開始が遅れる
- うつ期の再発が多い
- 慢性的な機能低下や希死念慮が持続する
海外の大規模研究でも、2型の生涯自殺企図率は1型より高いと報告されています。
治療の難しさ
双極性障害の抑うつ状態の治療は、とても難しいものです。
うつ病の方の場合は、抗うつ薬を使用することが出来ます。
その分深い抑うつ状態に対して、比較的早期に対応することが出来ます。
詳しくはまた別の記事でお話しますが、双極性障害の治療は比較的時間がかかります。
抑うつ状態に対して即効性の高い薬がそこまで使用できないからです。



うつの薬は使わないの?



基本使いません。
抗うつ薬で躁状態になってしまう恐れがあるからです。
双極性障害はどちらの型であっても大変な病気
双極性障害2型は、躁状態が軽いからこそ見逃されやすく、診断が遅れてしまうことがあります。
しかし実際には、
- 長く続く抑うつ状態
- 自殺リスクの高さ
- 治療の難しさ
といった特徴から、決して「軽い病気」ではありません。
長いうつ状態に耐え、良くなった後も、再びうつ状態になるのではないかという不安を抱えています。
また「調子が良いと思っていた時期」が実は病気の一部だったと知り、戸惑う方も少なくありません。
双極性障害には型の違いこそあっても、「軽い・重い」で分けられる病気ではありません。
どちらであっても、しっかりと治療と再発予防に向き合うことが大切です。
おわりに
久々の記事更新でした。
今回は双極性障害2型についてお話ししました。
「躁状態が目立たなくても双極性障害になることがあるんだ」と知っていただけたら嬉しいです。
病気を正しく理解することは、ご本人にとっても、ご家族や周囲の方にとっても支えになります。
次回は、双極性障害の「治療」についてわかりやすくお伝えしていきます。
また読んでいただけたら嬉しいです。
ではまた。
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