介護保険は申請して終わりではありません〜認定までの流れを抑えよう

こんにちは、たつみです。

前回は介護保険の制度と介護保険を申請する時の必要な書類についてお話ししました。

介護保険は「申請したらすぐに使える」というものではなく、いくつかの手続きを経て、ようやく認定が下ります。

今回は、その申請から認定までの流れについてご説明します。

目次

主治医意見書とは?患者さんに費用はかかりません

介護保険が申請されると、役所から医療機関に「主治医意見書を作ってくださいね」という依頼が来ます。

主治医意見書というのは「主治医として患者さんの現在の状態をこのように評価します」という書類です。

僕らは主治医意見書で

  • 病名
  • 発症時期と経過(病歴)
  • 日常生活がどの程度送れているか
  • 歩行や立ち上がりなど身体機能の状態度落ちているのか?

など、患者さんの現在の状態を書きます。

この書類だけで全てが決まるわけではないですが、「要支援なのか、要介護なのか(=等級)」の判断において重要な役割をはたします。

ちなみに、この書類は役所」が「医療機関」に作ってねと依頼している書類なので患者さんの金銭の負担はありません。役所から医療機関に書類作成代が払われます。

「主治医が重く書いてくれれば要介護5になる」って本当?

障害年金は主治医の書き方次第って聞いたけど介護保険もそうじゃないの?
どうせなら要介護5が貰えるように書いてよ

たつみ

障害年金のことはひとまず置いといて、介護保険は主治医が病状を重めに書いても意味がありません

このような質問は結構いわれるんですよね。質問というかお願いというか苦情というか…

まあ気持ちはわかりますけどね。どうせ貰えるならより手厚い方が良いと思うのは人の性です。

ただ介護保険は重く書いても意味ないんですよね。いや本当に、嘘じゃないですよ。

なぜ意味がないのか、それはこのまま記事を読み進めていただけたらわかると思います。

訪問調査があります 〜主治医の意見だけで決まりません〜

上でも書きましたが役所は主治医意見書だけで等級を決めるわけではありません。

実際に役所の人が本人の様子を確認する」という訪問調査を行って決定します。

ん?実際に役所の人が見にくるってことは?

たつみ

そうです。
主治医意見書で病状を重めに書いたとしてもこの調査でバレます

役場の人が実際に見にくることになるので、重めに書いても意味がないんですよね。

ただかといって適当に書くことはしません。今後認知症が進行することでどのような介護が必要になるのか等の情報はしっかりと書きます。

この「訪問調査」と「主治医意見書」は介護保険の申請をした後に同時並行で行われます。

ただ実際は訪問調査は役場の方が直接家あるいは病院に行く必要があるので、スケジュール調整等で申請から大体1ヶ月くらいかかります。

その間に主治医意見書は作成して提出していることがほとんどなので、

実際は「主治医意見書作成」→「訪問調査」という流れになることが多いです。

訪問調査ではここを見られます

訪問調査は大きくわけて5つのポイントから評価されます。

身体機能・動作→起き上がりや椅子からの立ち上がり動作、食事や排泄の自立度

生活機能→買い物や金銭管理、薬の内服(一人暮らしが可能か)

認知機能→日付や場所がわかるか、日常生活への影響度をみられます

精神・行動障害→怒りっぽくないか、暴言・暴力はないか

社会生活への適応→社会的に孤立していないか、対人関係

これらは実際に運動する様子を確認したり、ご家族からの聞き取りなどで判断します。

訪問調査あるある:がんばりすぎないで

先ほど「病状を重めに書いても意味がない」と書きました。

誤解していただきたくないのは、「極力軽い等級にしたいな」と僕らが思っているという意味ではありません。

僕らのスタンスは「必要なサービスを受けるのに十分な等級は是非ともほしい」です。

等級は高すぎても低すぎても良くないのです。また別の記事でお話ししますが、等級が高いとかえって施設入所の選択肢が狭まることもありますから。

訪問調査が始まる時、僕らが思うのは「頼む、ベストパフォーマンスを出さないでくれ」です。

当たり前なことなんですが、「試されている」と感じた時、気合をいれるものです。

それは認知症の方も一緒です。

それでは〇〇さん、少し運動をしてみましょう。
椅子から立ち上がれますか?
ここからあちらまで歩けますか?

たつみ

〇〇さんは、筋力は落ちているし
椅子から立ち上がるのも結構できる時とできない時で差があるから難しいんじゃないかな?
こけた時すぐ支えられるようにしとかないとね。
できれば要介護2がほしいな〜

椅子ですか?立てますよ。
あそこまでなら歩けます。(スタスタ)

たつみ

何で歩けるの⁉️普段は看護師さんが手引きじゃないと難しいのに…
リハビリの余地があるのはすごく良いんだけど
今じゃない、今じゃないよ‼️
そのリハビリを退院後にするためにも今だけ抑えて‼️

みたいなことは結構あるあるです。

支援というのは一番元気な状態を基準にするのではなく、普段の平均的な状態を基準に考える必要があるので、過剰に元気な様子をみせられると「等級が下がるのでは?」と焦るのです。

まあ誰も悪いわけではないのですけどね。

ただ幸い役所の方も慣れているので、これにより想定よりも等級が低く出たみたいなことは自分は経験ありません。

ただ心臓には悪いですね。

等級は途中で変更できます。

等級が高くても低くてもいけないってのはなんとなくわかったけど。
今後認知症が進行した時が怖いから、やっぱり高い等級で出てほしいわ。

たつみ

等級は変更できますのでご安心ください。
介護保険には有効期限があります
更新の際は改めて「主治医意見書の提出」と「訪問調査」が行われます。
つまりその時に今の等級が適しているのか改めて評価されます。

介護保険には有効期限があり、初めて介護保険を取得してから「6ヶ月」、

更新以降は「12〜24ヶ月(状態に応じて)」の有効期限があります。

ですので、その時に病状が進行していれば、あるいは落ち着いていれば、その状態に応じて等級は変更することがあります。

でも、その6ヶ月や12〜24ヶ月の更新期間の途中で状態が大きく悪化してしまったら、次の更新まで耐えなきゃいけないの?

たつみ

そんなことはありません。
有効期限内で状態が大きく変わった時、
区分変更申請という形で途中で再調査を依頼することができます。

実際に生活してみて現状の等級では不十分であった場合は、区分変更申請をして途中で等級を再評価してもらうことができますのでご安心ください。

介護保険の認定にかかる時間

介護保険の認定には時間がかかってしまうのがネックです。申請から認定が降りるまでには大体1ヶ月から1ヶ月半くらいかかります。

ですので、介護保険が必要そうだと感じた時は早めに申請をすることをお勧めします。

おわりに

いかがでしょうか。介護保険申請の流れは何となくイメージがつきましたでしょうか?

次回は実際にどのような支援があるのかお話ししようと思います。

ではまた。

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