精神科の入院について~その①:入院の種類〜

こんにちは、たつみです。今回は精神科の入院について簡単なご説明をしたいと思います。

精神科には大きく分けて3種類の入院の方法があります。名前は任意入院、医療保護入院、措置入院の3つですね。

この3つを更にわけると、「任意入院」と「医療保護入院・措置入院」の2つに分けられるかなと思います。

何を基準に分けられるのか、それは「本人が入院治療に同意しているか」というものです。

より一般的にわかりやすくいうならば「強制入院かどうか」ということです。(ただこれはかなり暴力的な表現です。強制入院という言葉も精神科医療者とそれ以外の方で受けるイメージが異なるのですがわかりやすくするために使っています。次の記事で具体的にご説明します。)

入院治療というものは、原則として、「医療者が入院の必要性を患者に説明し、患者本人が入院に同意して入院する」というものが基本です。

つまり、当たり前のことですが、患者さんが入院治療を望まない場合は入院はできません

よく話題になりますが、大物芸能人、大会社の社長などが癌になった際に、保健治療、入院治療はせずに民間療法に頼って、適切な医療を受けずに亡くなってしまうということもあります。これに対して「周りはなんで本人を入院させなかったんだ!」「医者はなんで入院させなかったんだ!」というお叱りの言葉をおっしゃる方もいますが、これは仕方がないことなのです。

基本的に人は法律に反しない限り、自身のことを自身で決める権利があります。その権利を他者が奪うことはできないのです。患者さんが治療や入院を望まない限りは、決して僕らが無理やり治療することはできません。

「おいおい待て、精神科には強制入院があるやないか、よくニュースで問題になってるぞ」と感じられた方。

おいおい待て!
精神科病院には強制入院が蔓延ってるってTVの特集で見たぞ!!

たつみ

蔓延っているというのは置いといて、確かに精神科には患者さんご本人が同意していなくても入院するパターンはあります。

なぜ精神科ではそのようなことが許されているのか

それは・・・、「精神科の病気になると、本人本来の判断ができなくなるから」です。これは精神科の病気の怖さとはという記事でも同様のことをお伝えしましたね。

人は自身のことを自身で決める権利があります。ですが病気が重篤な場合は、病気のせいで本来の判断ができなくなってしまう。すなわち、その権利が病気のせいで行使できない状態です。

そのため僕ら精神科は、「一旦は周りの方に同意を得て、入院をしてもらい、治療をして本人本来の判断ができる状態にまで戻しましょう」という目的のもと入院をしてもらっています。

どうでしょうか、精神科の入院のイメージが出来ましたか?

お付き合いいただきありがとうございました。

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