
こんにちは、たつみです。
今回の記事は、個人的にいちばん多くの人に読んでほしい内容です。
今回のテーマは「統合失調症の前兆」。まあ前兆というか統合失調初期の気付きポイントですね。
しつこく言っていますが、僕は治療介入が早ければ、統合失調症のほとんどは入院せずに過ごせる病気だと思っています。なので1日でも早く外来に来てほしい。
統合失調症になりやすい時期
統合失調症には、発症しやすい時期や状況があるなと個人的には感じます。
それは「環境が変わるとき」や「孤独を感じるとき」です。
たとえば──
- 大学進学で一人暮らしを始めたとき
- 新社会人として知らない土地で働き始めたとき
- 同級生や同僚とうまくいっていないとき
思春期であれば「いじめ」なども大きなきっかけになります。
実際、統合失調症で長期間通院されている方のカルテを見ると、
『大学生のときに発症』『専門学校時代に発症』と書かれていることは珍しくありません。
年齢的な発症のピークももちろんありますが、
それだけではなく生活環境の変化と孤独が大きいかなと思っています。
進学や就職で家族の支えが減り、表面的には友人と話していても、
心の奥にある孤独感が拭えない。
そんな状態が続くと、少しずつ心のバランスが崩れていきます。
もちろん、全員がそうなるわけではありません。
でも、こうした背景の人は確かに多いのです。
なんにでも「ストレスのせい」って精神科は言うよね

うつ病の所でも双極性障害のところでも
ストレスって言ってない?



てか、お前ら精神科は何でもかんでも
ストレスって言わない?



はは、これは一本取られたわい
冗談っぽく言っていますが、実際にこれ患者さんとか他の科の医者友達から言われるんですよね。
多大なストレスに晒されたときに、うつ病を発症するのか、統合失調症を発症するのか
そこは明らかにはなっていません。
あくまで個人的な意見ではありますが、その違いに関わってくるのが、体質や遺伝なのではないかなと思っています。
統合失調症のご家族がいる方は統合失調症に、
うつ病のご家族がいる方はうつ病になりやすい。
そのような印象です。
今後医療の研究が続けば、もう少し具体的なことが言える時代が来るのかもしれません。
「前ぶれ」のサインを見逃さないために
ここからが本題です。
統合失調症の初期は、軽い陽性症状と軽い陰性症状が混ざって現れます。
たとえば、
- 「誰かに噂されている気がする」「見られている気がする」といった被害的な妄想や幻聴
- 意欲が低下して、何もする気が起きない
これらが合わさった感じですね。
周りから見ると、
- 明らかに表情が暗いのに、ひとりで何かをつぶやいている
- 目の動きが落ち着かず、何かを怖がっているように見える
そんなふうに見えるかなと思います。
ただ、これはあくまで一例ですし、これらの様子がある=統合失調症というわけではありません。
もし友人にそんな変化があったら、まずは声をかけてみてください。
それが難しければ、先生や上司など信頼できる人に相談してみるのも良いと思います。
「最近あいつ見ないな」と感じたときが危ない
一番怖いのは



あれ、そういえば最近あいつ見ないな
と思うようになったときです。具体的には
- 大学生なら:講義に来なくなった、バイトにも行かない
- 社会人なら:職場に来なくなった、連絡が取れない
となった場合ですね。簡単に言うと引きこもりに近い状態です。
ちなみに講義には行かないでバイトばっかりしているのは全然OKです。
生暖かい目で見守ってあげましょう。
そもそも何故引きこもるのか
統合失調症が悪化すると幻聴や被害妄想が強くなります。
そうなってくると周囲にいる人間が全て敵にみえてくるのですよね。
家から出たら人に何されるかわからない、そんな状態です。
そんな状態なので外に出ることが怖くなり、引きこもるようになります。
いっそ家を訪ねてみましょう
もし友人や部下がそうなってしまったら、思い切って家を訪ねてみてください。
会ってみて本人の様子を見てみるのです。
会いに行くときは、できれば複数人で、あるいは事前に連絡を取った上で訪ねてください。
もし連絡の時点で、言葉が荒かったり、明らかに怒っているような様子がある場合は、
無理に会いに行かず、地域の相談窓口(例:精神保健福祉センターなど)に相談するのも有りです。
安全第一‼️





実際に行ってみて、ただゲームしているだけだったら?



そのときは、そのまま一緒に遊ぶなり、
「お前このままだと留年するぞ」って言うなりご自由にしてもろて
まあこれは冗談ですが、何もないなら無いで良いのです。というかそれが一番良いのです。
ただのサボりだったなら、「心配してたぞ」と声をかければ良いし、職場の後輩なら多少の注意をすればよろしい。
ゲームや趣味に夢中になっているのは、精神科的にはOKです。
(その人の人生的にどうかは別問題ですが…まあそれは個人の自由ですから)。


でも、何もせず、ただぼーっとしていたり、塞ぎ込んで涙を流している状態であるならば
それはもう早めに精神科を受診してください。(上の画像はどちらかというと鬱っぽい画像ですけどね)
「違っていたらどうしよう」と迷う必要はありません



もし友達を精神科に連れて行って、
結果的に統合失調症でなかったら?



それはそれでまた良いことです。
受診のあとに焼肉を食べに行けばよいと思います。
受診して損することはありません。(初診料と時間は損してしまいますが)
違えばそれで終わり。
でも、もし本当に統合失調症の始まりなら、
その一回の受診が今後の人生を大きく変えます。
あと最近よくある問題として



一言注意したいけど、
病気の症状だったら言うに言えないな〜
みたいな事があるのですが、
診察の結果病気ではなく、あくまでその人の問題だった場合、気兼ねなく注意することが出来ます。
(あ、でも言い方は大事ですよ。何を行ってもよいわけでは有りません)
今起きている問題が「病気なのか」あるいは「それ以外の個人の問題なのか」、
それを知ることも受診のメリットです。
おわりに
統合失調症の前兆についてのお話でした。
僕が精神科医として何より伝えたいのは、
この“前ぶれ”の時期に気づいてあげることの大切さです。
統合失調症は、早く見つけて治療を始められれば、
入院せずに済むことも多く、社会復帰もずっと早くなります。
現在、精神科病院の慢性期病棟(長期的に入院されている方の病棟)の多くは、認知症か統合失調症の方です。
ですが、僕はこの時期に介入できれば、多くの統合失調症の方は長期的入院をすることがなくなるのではないか、
統合失調症の方の入院自体が半分から7・8割は減らせるのではと思っています。
それほどまでに、いまの精神科の薬の進歩はすごいのです。
しつこいお話でしたが、この記事が統合失調症の早期発見に少しでもつながれば幸いです。
ではまた。
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